徳島の実家で暮らしていたころ、ストレッチャー型車いすを理由に、ホテルレストランへの入店を拒否されました。これに対して、僕の母が書いた徳島新聞への投稿を紹介します。
ガイドヘルパー養成研修や枚方市役所の職員を対象とした障害者差別解消法の研修でも使用されたと聞きました。
ガイドヘルパーや枚方市役所の責任ある立場の人が読んでくれているこの文章が、レストランのバリアフリー化につながり、車いすやストレッチャーでもおいしい物を自由に食べに行ける社会になればいいと思います。
◆「読者の手紙」(徳島新聞2009年4月25日)より引用
障害者の社会参加に理解を(徳島市、匿名希望・61歳・主婦)
寝台車を利用している障害を持つ息子と一緒に、最近オープンしたホテルへ食事に行ったときのこと。「車いすの方はいいですが、寝たきりの方はお断りします」と、入店を拒否されました。
一度は入店できたので納得できず、後日責任者の方に理由を聞くと、お客さまから病院で食事をしているようだというクレームがあったと言われました。「皆さんおしゃれをして楽しむためにいらっしゃいます。時代です。個人主義になりました」と。
健常者に比べ障害者は、気分転換できることが限られています。重度障害者は外出するにも人の手を借り、かなりの時間をかけなければなりません。病気が進行し、咀嚼力が弱くなれば、きざみ食や流動食、あるいは絶飲絶食の胃ろう処置をしなくてはなりません。
せめて食事ができる間に、息子に外食を楽しませてやりたいと思うことは、ぜいたくなことでしょうか。
良心的なお店もたくさんあります。駐車場まで見送り「またお越しください」と声をかけてくださる所など思いやりの心が伝わって胸が熱くなることがあります。
最も重い障害を持った人たちが社会参加できるように、大勢の方々の理解を願って止みません。
安田 哲郎
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