• 安田 雄太郎

障害者を取り巻く現状と連絡会の役割ー事業者連絡会2022年度総会


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 枚方市障害福祉サービス事業者連絡会の2022年度総会の「事業計画」における「障害者を取り巻く現状と連絡会の役割」を紹介します。


【障害者を取り巻く現状と連絡会の役割】


 昨年度も新型コロナウイルスの感染対策や感染時対応により、事業者の活動が大きく制限され、障害者の生活に大きな影響が及びました。連絡会としては、研修機会の制限があるなか、オンラインでの併用開催や通信の発行など、工夫して取り組みを継続してきました。また、ワクチン接種における介護制度の柔軟な運用や集団接種等の配慮を枚方市自立支援協議会等と協力して働きかけてきました。


 この1年間においても、私たちを取り巻く法制度や施策の変化がありました。

 昨年5月には障害者差別解消法が改正され、合理的配慮が、行政だけではなく民間事業者にも義務付けられ、相談体制の強化なども盛り込まれました。昨年度の第1回連絡会(記念講演)では、改正障害者差別解消法をテーマに、事業者に求められる役割と今後の課題について、事業者と行政が共に考える機会として、講演会を開催しました。

 また、医療的ケア児支援法が昨年9月に施行されました。枚方市においても、枚方市医療的ケア児等支援連絡会議や医療的ケアを受ける当事者・家族をとおして、医療的ケア児者の地域生活を支える取り組みを強化することが求められています。

 災害時における障害者の安否確認や避難誘導等を事業者と行政が連携して担う仕組みを、枚方市社会福祉審議会障害福祉専門分科会等において要望し、今年3月には、枚方市から事業者への「障害のある方の災害時安否確認に係る協力のお願い」という形で連携する動きが開始されています。

 また、当事者のニーズを受けて、重度訪問介護や同行援護等を利用する障害者の通勤や就労中の介護制度である「枚方市重度障害者等就労支援特別事業」も開始されました。


 昨年10月の第2回連絡会では、「枚方市障害者計画等と地域移行・地域生活支援の課題」をテーマにシンポジウムを開催しました。枚方市における「地域生活支援拠点」の整備の方向性と課題について、障害福祉行政と相談支援センターをはじめとした様々なサービス種類の事業所が共有できる場を持つことができました。

 他方で、枚方市障害者計画等の基本理念を実現するための施設・病院からの地域移行や地域生活を支える人材不足の課題は、未だ根本的な解決策は見いだせておらず、民間事業者の意向や努力に委ねられている部分が多い現状です。さらには、日中活動はもとより、在宅での生活を支えるホームヘルプやガイドヘルプの人材不足はより深刻であり、事業者の自主的な工夫や努力だけでは限界があり、国も含めた行政の抜本的な改善策が必要と考えます。

 また、昨年12月の第3回連絡会のテーマでもあったグループホーム再編問題や大阪市のマンション管理組合の「グループホームは住居ではない」との主張を背景とした「グループホーム追い出し裁判」をはじめ、障害者の地域での生活の場が脅かされています。今年度も引き続き、制度や裁判の動向に注目し、必要な情報を提供していきたいと思います。


 今年2月の大阪高裁や3月の東京高裁での旧優生保護法のもとで強制された不妊手術に対する国家賠償を求める判決や、第4回連絡会でも取り上げた精神医療国家賠償請求訴訟をはじめ、これまでの行政責任を問い直し、新たな施策を生み出す流れが、当事者や支援者の長年の取り組みの積み重ねの中から、創り出され始めています。

 障害者総合支援法の基本理念に「障害者及び障害児にとって日常生活又は社会生活を営む上で障壁となるような社会における事物、制度、慣行、観念その他一切のものの除去に資することを旨として、総合的かつ計画的に行わなければならない」とあるように、行政・事業者の誤った施策・サービス内容の改善も含めた社会の様々な障壁(バリア)を問い直し改めることは、障害当事者の最も近くで日常的に支援する私たちの重要な役割であると考えます。


 連絡会は、会員事業者の皆様からのご意見を頂きながら、障害福祉サービスの質の確保と向上を図り、障害のある市民の生活を豊かにすることをとおして、誰もが暮らしやすいまちづくりを推進していきたいと思います。ご理解とご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。

2022年5月31日

枚方市障害福祉サービス事業者連絡会

会長 安田 雄太郎


2022年度総会
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