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障害者を取り巻く現状と連絡会の役割ー事業者連絡会2026年度総会

  • 執筆者の写真: 安田 雄太郎
    安田 雄太郎
  • 6月6日
  • 読了時間: 4分

更新日:7月4日


 枚方市障害福祉サービス事業者連絡会の2026年度総会の「事業計画」における「障害者を取り巻く現状と連絡会の役割」を紹介します。


【障害者を取り巻く現状と連絡会の役割】


 連絡会は昨年度も、「枚方市社会福祉審議会 障害福祉専門分科会 障害福祉施策意見交換会(WG)」をはじめとして、地域生活支援拠点の「自立体験の機会・場」について議論を続けてきました。そして、今年度から「枚方市障害者居室体験事業」として試行的に実施されます。これで、地域生活支援拠点の5つの機能が整備されたことになります。

 この拠点を有効に機能させるには、私たち事業者と行政の連携が不可欠です。今年度もWG等での議論や事業者の皆様との情報共有を通じて、地域生活支援拠点の充実を図っていきたいと思います。


 また、枚方市は昨年度、災害時支援をめぐる新たな取り組みを実施しました。

 危機管理対策推進課は、避難行動要支援者(障害者手帳の所持者等)に「わたしの避難計画書(枚方市個別避難計画)」の作成を促進しました。さらに障害支援課は、生活介護事業所への福祉避難所(直接避難型)の指定を開始しています。枚方市保健所は以前から、「医療的ケアを必要とする方のための枚方市災害時個別支援計画」の作成・更新を進めています。引き続き行政と協力し、残る課題の解決に向けた検討を進める必要があります。


 一方、グループホーム「恵」の不正問題に続き、就労系事業所の不正や課題がクローズアップされています。

 大阪市は今年3月、「絆ホールディングス」傘下の複数の就労継続支援A型事業所について、障害者の就労実績に応じて支払われる給付金を不正受給(約150億円)したとして、指定(運営許可)を取り消す行政処分を行いました。計1300人ともいわれる障害者が失業や利用停止を余儀なくされたと報じられています。

 また、報道では「(精神科クリニックと連携して)オンライン診療のみで容易に診断書を出してもらえば、工賃がもらえる」という勧誘で就労継続支援B型事業所の利用者を獲得する業者の存在も指摘され、大阪市ではB型事業所の急増と不適切運営の増加を理由に、新規開設と定員増を1年間停止すると発表しています。


 措置制度から契約制度(支援費制度)へ移行し、障害福祉事業に市場原理が導入された2003年から20数年が経過しました。当初から危惧されていた、利益追求のために利用者(障害当事者)の主体性はもとより人格も軽視して利用する「悪しき福祉ビジネス」が横行し、行政も想定していない脱法的手法と、それに対する規制の「いたちごっこ」が続いています。

 他方で、M&A(合併・買収)を推進する大手事業者と政府。規制を強めることで、中小規模の地域の事業者が厳しい運営を強いられる状況となっています。

 あらためて自立支援の原則である「障害当事者の人格・自己決定・主体性の尊重」を確認し、障害者への支援を通じて、すべての市民が暮らしやすいインクルーシブでユニバーサルな社会づくりに寄与する立場を再確認することが求められています。

 契約制度導入に伴う「ルール違反の規制と支援原則の確認」を契機のひとつとしてスタートした連絡会は、引き続き、サービスの質の確保と向上を図り、障害者の生活向上に資するため、人権研修等を開催していきたいと思います。


 連絡会は昨年度、サービス類型ごとに5つの部会を設置しました。連絡会の会員事業所であれば誰でも参加でき、全体会では困難な各事業所の詳細な情報交換や課題共有を行い、各部会の自主性を尊重し、提案者が主体的に責任を持って取り組める部会運営を目指しています。

 一方、当事者部会は参加希望者がおらず、昨年度は開催に至りませんでした。施策の決定・運用や事業所運営への当事者参画が進まない厳しい現状の顕れと考えますが、逆に言えば、上述した諸課題が「障害当事者の選択肢の少なさをはじめとした弱み(社会的障壁)につけ込んだビジネス」を背景としているならば、事業所運営への当事者参画が課題解決の可能性を持っていると考えられます。積極的なご参加をあらためてお願い申し上げます。


 連絡会の設立以来、役員としてご尽力されてきた「陽だまりの会」の河野和永さんが、去る5月12日に急逝されました。ここに謹んで哀悼の意を表しますとともに、河野さんの意志を引き継ぎ、精神障害者をはじめ障害者の地域移行・地域生活支援を推進していきたいと思います。

 連絡会設立時の中心メンバーが引退されていく中、部会運営活動などを通して、新たな人材育成を進めていく必要があります。

 今後とも、ご理解ご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。


2026年6月4日

枚方市障害福祉サービス事業者連絡会

会長 安田 雄太郎



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