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執筆者の写真安田 雄太郎

枚方市医療的ケア児等支援連絡会議に参加しました!

更新日:4 日前

枚方市医療的ケア児等支援連絡会議

 2024年1月29日、ラポールひらかたで、枚方市医療的ケア児等支援連絡会議が開催され、事業者連絡会を代表して参加しました。


 案件は以下のとおりです。


1.各機関紹介

2.大阪府医療的ケア児支援センターについて

3.医療的ケア児等の支援について(事例検討)

4.意見交換

・地域における課題

・支援体制のあり方

5.その他


●大阪府医療的ケア児支援センターヘの質問


安田 雄太郎(枚方市障害福祉サービス事業者連絡会)


【質問1】喀痰吸引等の医療的ケアを実施する際の事業所の「事務負担」等が大きい合理的理由をお聞きしたい。


 とりわけ、訪問系サービスに多い第3号研修終了者が医療的ケアを行う場合、「事務負担」「費用負担」「開始までに時間がかかりすぎる」ということが大きな課題であると感じています。


 以下の手順等が必要です。


●ヘルパーごとに基礎研修受講

●ヘルパーごとに利用者の同意書

●利用者ごとに医師の指示書

●ヘルパーごとに実地研修の計画書を作成し、指導看護師への実地研修の依頼

●ヘルパーごとに研修機関への実地研修の計画書等の提出

●利用者、看護師、ヘルパーの予定を調整して実地研修

●ヘルパーごとに研修機関への実地研修の報告書提出

●ヘルパーごとに大阪府への認定証交付申請書等の提出(ヘルパーの住民票の提出も必要)

●利用者ごとに医師の指示書の期間ごとの計画書を作成

●計画書を利用者及び看護師に交付

●利用者ごとに医師の指示書の期間終了ごとに看護師の確認を取り、指示を行った医師への報告および確認を行う

●利用者ごとに安全委員会を6か月に1回以上定期的に開催


 それぞれの過程で煩雑な書類作成や研修費用が必要であり、利用者、訪問看護師、ヘルパーの3者の研修日程調整にも時間がかかります。しかも、利用者1人ごと、ヘルパー1人ごとに手順が必要であり、さらには、ヘルパーが辞めた場合も利用者ごとに大阪府への報告書が求められます。


 報酬については1日約1000 円の加算のみで、事務的負担も勘案した場合、事業(ビジネス)としては成立しにくい構造となっています。


 医療的ケアを伴わない重度訪問介護や居宅介護などの訪問系サービスと比較しても、事務負担や費用負担が大きく、その結果、担う訪問系サービス事業所・従事者の育成が困難な現状があると考えます。


 大阪府として、これらの手順を簡素化できない合理的理由があればお聞きしたい。


【質問2】

 第3号研修の登録喀痰吸引等事業者において、第1号研修・第2号研修の終了者が医療的ケアを実施する場合、あらためて第3号研修の基礎研修から受講しなければなりません。


 あるいは、第3号研修の登録喀痰吸引等事業者としては一旦辞退し、第1号研修・第2号研修の登録喀痰吸引等事業者として、あらためて登録申請の手続きを求められます。


 第1号研修・第2号研修の終了者による第3号研修の基礎研修の受講がなぜ必要なのでしょうか。


●大阪府 福祉部 障がい福祉室 生活基盤推進課からの回答


【質問1】について

 大阪府では、「社会福祉士及び介護福祉士法」「社会福祉士及び介護福祉士法施行令」「社会福祉士及び介護福祉士法施行規則」及び「社会福祉士及び介護福祉士法の一部を改正する法律の施行について(喀痰吸引関係)」(社援発1111第1号平成23年11月11日)通知等をもとに事務を行っております。お示しいただいた事務はこれらの規定に基づくものであり、省略いただくことはできません。


【質問2】について

 第1号研修・第2号研修は不特定の方を対象にするものであり、第3号研修は特定の方を対象にするものですので、基本研修の内容はそれぞれに違っています。第1号研修・第2号研修の修了者は第3号研修の基本研修は受けておられませんので、第3号研修を受講される際には基本研修からの受講が必要となっています。


 いずれも、国の制度のため、直ちに変更はできませんが、現場で困っているとのお声があることは、機会があるごとに国に伝えていきます。



 以下は、枚方市障害福祉サービス事業者連絡会から提出した資料の一部である「新居さんの意見」です。


●枚方市医療的ケア児等支援連絡会議の皆様へ


 一昨年から枚方市医療的ケア児等支援連絡会議で意見を出させていただいている、新居真理と申します。人工呼吸器を使う24歳の息子優太郎の親です。3歳で病院を退院してから在宅生活をしており、支援学校と地域の学校の両方に通わせていただき、枚方市の行政や医療等の関係各所の皆さまには大変お世話になっております。


 毎度、支援学校や地域の学校に通う子どもさんたちの通学支援について述べさせていただき、常時医療的ケアが必要な子どもたちは、通学バスにも乗ることが難しく(校外学習等では乗って行けるようになってきているようですが)、自主的に保護者が送迎されるか、介護タクシーで通学される方がほとんどです。介護タクシーに吸引できる看護師さん等が同乗し、通学できる制度が整いつつあるようですが、訪問看護師やタクシーの手配等で保護者の負担が多く、使っておられない方もいると聞いています。制度ができてから何年か経ちますが、現在の活用状況や問題などないか? 問題点は改善されてきているのか? などお聞きしたいです。枚方市のほかにも大阪府の管轄でもありますが、市内の子どもたちのことなので、医療的ケアがあっても通学しやすい環境整備を引き続きお願いします。


 医療・看護と介護との連携、特に在宅や教育の場面での連携についても毎年お願いさせていただいています。どうしても医療的ケア児は医療への依存が必須になってきますが、病院を出て自宅や学校において子どもたちは「患者」ではなく、一人の子どもです。療養ではなく、必要なケアをしながら、日常生活を送ることが最も大切になってくるので、医療、看護職の方だけではなく介護職や教員の先生などにも、より多くの人達に関わってもらい、医療的ケアを知って担ってもらえるようになってほしいのです。障害当事者の子どもさんのことをなるべく関わる人全員で情報共有してもらうことで、災害や体調不良などの緊急時により安全で迅速な対応を取ることができると思われます。


 その情報共有、連携に関わることでもありますが、当事者の子どもが学校や通所施設などで医療的ケアを行ってもらうのに、必ず医師の指示書や意見書が必要になります。その指示がないとケアを行う立場の人はケアができないのかと思いますが、医療的ケア児支援法ができて、学校設置者が本人にとって安全を担保するいうことが明記されているにもかかわらず、学校の中の職員に対しての指示書の文書料を親が全部出すというのはおかしいのではないかと思われます。病院によっても違ったりするところもあったり、投薬の種類が変わるたびに、文書料を負担しないといけなかったり、学期や学年が変わるごとに指示書を取り直して負担させられたり、暗黙の了解のような形で保護者が負担しないとケアをしてもらえないような空気が流れているところもあり、結構な額の負担を強いられているのは事実です。国や府、市町村の方針で保護者に負担させないということを決めてもらいたいです。ご検討お願い致します。


 情報共有や多職種連携のお話しとも関連しますが、医療的ケア児がいる学校で、医療的ケアの研修を行っていただいていると思いますが、その研修講師を医療看護関係の方だけではなく、当事者やその保護者や家族にやっていただく研修を行っていただきたいです。実際にケアを受ける側の立場、目線の話を聞いていただいたり、希望する介助者や先生方に3号研修等を受けていただくご案内と補助を行っていただきたいです。受講を希望される先生がおられても、なるべく自己負担のないよう、予算を計上していただけるようご検討いただきたいです。実際他市でそのような事例があり、検討を進めていただいていますので、枚方市でもよろしくお願いします。


 医療的ケア児支援センタ―の設置状況もお聞きしたいです。きちんと機能し始めているのか、進捗状況を知りたいです。何度も同じことを書きますが、大阪府の支援センターや枚方市の支援教育充実審議会も機能し始めていますが、どちらも医師や介護職の担当者、研究者、行政の担当者、保護者(は審議会の方のみ)などがメンバーに入っているようですが、当事者の参画はないようなので、ぜひとも障害当事者の意見を直接聞く機会を作ってくださるよう、強く要望します。


 当事者の思いをお伝えしていくことで、これから学校園に入られる子どもさんや、現在通っておられる子どもさんが少しでもしんどい思いをせず、スムーズに受け入れていただけるようになってもらえたらありがたいです。

新居 優太郎、新居 真理

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